日本の将来を危惧する材料として、米国のトップクラスの大学(ハーバード、スタンフォード等)への日本人留学生が急減する一方、中国、韓国、インド、その他のアジア諸国からの留学生が急増しているという指摘が最近なされるようになりました。
1999年から10年間に、ハーバード大学に在籍している中国人留学生は227人から463人へ、韓国人留学生は183人から315人へとそれぞれ急増しています。それに対して、日本人留学生は151人から101人に減少しました。(下記図を参照)
純粋に学問が目的でハーバード大学に留学する人が大半だと思いますが、人脈作りも大きな目的のひとつであることもよく指摘されます。つまりハーバード大学を卒業して帰国した留学生たちは、数年後には自分の国で指導者的な役割を果たすようになる、というのです。ハーバードで培った、グローバルに張り巡らされた人脈を駆使して、ビジネスや政治、研究など、幅広い分野で活躍する人材に育っていくわけです。
もちろん一流大学への留学だけに価値があるとは思いません。生活習慣や文化や考え方も全く異なる社会で、多様な人種・民族と出会って交流し、大学で学ぶことから得るものは、その人の人生に致命的なほど大きな影響を与えると言っても過言ではないでしょう。
このようなことを考えると、グローバル化が加速度的に進展している中、日本の若者が海外に関心を抱かないのは、日本の将来にとって大きなマイナスです。もちろん日本の大学が米国の大学に劣っているというつもりはありません。しかし世界中から優秀で、しかも志の高い学生が集う米国の大学を目指す日本の若者が減っている事実は、日本の将来にとって決して明るい材料ではないでしょう。
海外に飛び出して異質な文化や価値観に触れ、日本と自分を客観的に見つめることは、その人の人生を大きく左右します。今後グローバル競争社会で生き抜くためにも、日本の若者には海外に飛び出してグローバル感覚を磨いて欲しいと願っています。