留学生

米国のトップクラスの大学(ハーバード、スタンフォード等)への日本人留学生が急減していることは、すでに前回の記事に書いたとおりです。しかしそれはトップクラスの大学に限った現象ではないのです。

日本人の海外留学者数は2004年の82,495人がピークでした。しかしその後は減る一方で、2011年には57,501名でした。特に米国への留学者数が激減しています。 2004年にはおよそ47,000人の日本人が米国で学んでいました。それが、7年後の2011年には19,966人に減ってしまいました。実に42%減です。

米国の大学院に在籍中の留学生の数を国別でみると、トップは中国で103,505人、2位がインドの54,607人、韓国は19,916人、そして日本はわずか3,944人に過ぎませんでした。

このことは何を意味するのでしょうか?

日本のマスコミや財界人の多くが、こうした現象を、“日本人の若者が内向きになっている証拠”であると分析し、警鐘を鳴らしています。2010年には米国の名門大学のハーバード大学の学長が来日し、“日本の若者はもっと世界へ飛び出してください”と檄を飛ばしたほどでした。

しかし若者の“内向き志向”と言うより、経済問題の方がもっと大きな原因のようです。

値上がりし続ける留学費用

米国の大学の学費が10年ほど前から急騰しています。州立大学でさえ、留学生が支払う授業料は年間300万円から350万円です。それに生活費を入れると、1年で500万円の出費を覚悟しなければなりません。ハーバード大学などのような一流の私立大学では、授業料だけでも年間450万円~500万円かかってしまうのです。

しかも日本の高校を卒業してすぐ、ストレートに米国の大学の本課程で学べるだけの能力のある生徒はまれです。まず、大学に併設された準備コースで半年~1年間の学習が義務付けられます。したがって、米国の4年制大学を卒業するまでに5年間の留学を覚悟する必要があります。トータルの留学費用は2千万円を超えてしまいます。

米国の大学には才能のある若者が世界中から集まってきます。留学生の中には、やがては本国に帰ってエリートコースを歩む者も出てきます。日本政府も、大学生に留学を奨励しています。奨学金制度も発足したのですが、一人当たり2~30万円程度です。

米国ほどではないにしても、英国、カナダ、オーストラリアなどの英語圏の公立の大学に留学した場合、生活費を含めた年間の予算は300~400万円です。

こうしてみると、海外留学は普通の人には手が届かないように思えてきます。しかしグローバル社会で活躍できるようになるためにも、できれば大学で1年間の海外留学は経験したほうが良いでしょう。留学に憧れる中高校生は大勢います。諦めることはありません。実は、大学の留学費用をかなり抑える方法があるのです。

次回は、海外の大学に安く留学する方法をご紹介したいと思います。

英検も受験も合格率No1